高円寺駅から徒歩七分のシェア型書店。  1列単位の棚主がつくる新しい書店。

イベント

12/29 物書きのための「小商い」の技法~軽出版・直取引・シェア型書店を事例に~

出版・書店業界は斜陽だと言われて久しく、事実、街の書店は減り続けています。一方で、棚貸し形式のシェア型書店、文フリ・コミケ・一箱古本市といった展示・即売イベントなど、既存の書店とは異なる本の販売チャネルが近年盛り上がりを見せています。

また、BOOTHやBASEといったネットショップ作成サービス、Kindleダイレクト・パブリッシングでのセルフ出版、note等の記事有料販売機能などのWebサービスの充実により、専門的な技術や編集ソフトを持たない書き手でも、比較的安価で簡単に自分が書いたものを書籍化したり販売したりすることができるようになりました。

こうした環境の変化は、出版・流通・販売に関わるプレイヤーの立ち位置や役割、力関係、お金の流れ方にも変化をもたらしました。それは、出版市場全体の縮小を食い止めたり覆したりするほどの売上や雇用を生み出す「産業革命」では決してありませんが、個人の書き手や、一人〜数人の小規模出版社にとっては、自分たちの制作物を、適正な規模・速度・収支構造のもとで読者(顧客)に届ける「小商い」の可能性を広げてくれる変化でした。

◯◯万部以上の大ヒット作・ベストセラーを目指すわけではないけれど、「売れなくてもいい」「わかる人にだけわかればいい」といった諦めや痩せ我慢をするわけでもない。

書き手が自分のテーマを大切にしながら書くことができ、それを必要とし、受け取ってくれる100〜1000人単位の読者と出会い、繋がることができる。

大儲けはしないけれど、リスクやコストを抑えながら続けられるだけの収益は生み出す。

そんな、自律的で、持続可能な「小商い」の技法を分かち合う場を開きたいと思います。

会場は、東京・高円寺で2024年にオープンしたシェア型書店「本店・本屋の実験室」、話題提供者は、「軽出版」を掲げる編集者・文筆家・大学教員の仲俣暁生氏と、東洋史・日本史の人文書を中心に刊行する出版社・志学社の平林緑萌氏です。

著者・編集者・出版社・書店といった出版に携わっている方はもちろん、さまざまなジャンル・業種で創意工夫を重ねながら「小商い」を続けておられる方、自分が書いたもの・つくったものを形にし、価値をつくり、誰かに届けたいと思っておられる方など、このテーマに関心のあるかたはどなたもご参加歓迎です。

参加者のみなさんそれぞれの実践や知恵も、ぜひ当日お話いただければ幸いです。

日時:2024年12月29日(日)16:30〜18:00(16:00受付開始)

場所:本店・本屋の実験室
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北3-5-17(コクテイル書房横、旧HAIR SALONサムソン)
Google Map https://maps.app.goo.gl/kt6YeExWGTitXX5f6
※イベント当日も 12:00から書店として通常営業しています。

参加費:1,000円
会場参加を基本としますが、遠方の方からの参加ご希望があった場合、Zoomミーティングを開きます(お申し込みいただいた方にURLをお送りします)。
イベント終了後、会場隣の「コクテイル書房」にて、任意参加の懇親会を行います(事前申し込み:懇親会費2000円+ドリンク代) 

・会場参加(トークイベントのみ参加)
・会場参加(懇親会も参加)
・オンライン参加
の3種類のチケットをご用意しておりますので、Peatixでのお申込み時にご選択ください。

話題提供者:
仲俣暁生(なかまた・あきお)
編集者、文芸評論家。1964年東京都生まれ。大学教員のかたわら現在は出版レーベル「破船房」を主宰。最新刊は『東アジアから読む世界文学──記憶・テクノロジー・想像力』。

仲俣暁生プロフィール写真

平林緑萌(ひらばやし・もえぎ)
編集者。1982年奈良県生まれ。書店員、版元営業を経て編集者に。2018年に志学社を創業。2024年にひとりレーベル「書肆imasu」を立ち上げる。草香去来名義で文筆も行なっている。

平林緑萌プロフィール写真

Photo: ©️Takako Iimoto

申し込み方法:

以下のPeatixページからチケットをご購入ください。イベント開始時間まで販売しています。

会場参加(懇親会なし)は、当日ドタ参、会場での支払も受け付けます。

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深呼吸書店

深呼吸書店

世界を吸って、私を吐き出す。

世界を吸って、私を吐き出す。
無限に広がるインターネットの海で、日々あらゆる出来事がデジタルデータとして記録され、それらを飲み込み学習したAIによってさらに大量のコンテンツが生成される……。そんな情報化社会のただなかに在り、その利便性を享受しながら、有限な肉体と時間を生きる私たちは、街、書店、本棚、本、という有限なスペースに何を求め、何を見出し、何を表現するのか。「深呼吸書店」は、実践を通してこの問いに応えていきたいと思います。
棚主は、1972年の音楽雑誌『ロッキング・オン』創刊以来、「参加型メディア」を追求し続けている編集者・橘川幸夫です。東京・茨城・京都・福岡など全国各地のシェア書店に出店しています。
橘川は、2024年にコミュニティ生成型雑誌『イコール』(https://equal-mag.jp/)を創刊しました。『イコール』は、ネット・AI全盛の情報化社会を生きる個人が、それぞれの身体と感性を通して時代の最前線を探り、新しい表現を生み出そうとする雑誌です。各号の責任編集者のもと、信頼関係のあるコミュニティで企画・執筆・編集を行い、クラウドファンディングの金額に応じて印刷部数を決め、文フリ、コミケ、シェア書店等にも独自に出店・販売するなど、これまでの大量印刷・大量販売モデルにかわる、新たな出版・流通モデルを開発・実践しています。
深呼吸書店は、こうした私たちの活動の成果を発信・販売する場であると同時に、そこからまた新たな出会い、企画、表現が生まれる媒介でありたいと思います。
『イコール』各号と関係者の著書・蔵書を中心に出品していますが、地域・店舗・担当者ごとの特色や繋がりを活かしながらそれぞれの棚を編集していきたいと考えています。ここ高円寺の担当は、鈴木悠平です。閒(あわい)という小さな会社を営んでいます(https://awai.jp.net/)。
コンセプトに共感いただいた方、本の販売、フリーペーパーの設置、イベントの企画など、何か一緒に実験したい、表現したいという方は、ぜひご連絡ください。

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