高円寺駅から徒歩七分のシェア型書店。  1列単位の棚主がつくる新しい書店。

書籍紹介

『列』 中村文則

男は先が見えず、最後尾も見えない「列」に並んでいる。自分が「列」のどのあたりにいるのか見当もつかない。
皆なぜ自分がこの「列」に並んでいるのかわからない。
しかし彼らは一様に並び、長い長い「列」が出来ている。
このような特異な状況を設定することで作者は現代社会に生きる人間の姿を描こうとする。
誰もが何とか前に行こうとして、人を出し抜いたり、隣の列に移ってみたりしている。

この列はいったい何を表しているのか? そこに浮き上がってくるわれわれの姿はいかなるものなのか?

自己の内側を見たときに作者の描き出したかったものが痛切に私たちに迫ってくる、そんな作品です。
大江健三郎を引き継ごうとする作者とともにしばし考えてみませんか。
2024年野間文芸賞受賞作品 講談社

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ミモザとビオラ

ミモザとビオラ

文学を楽しみましょう

【ミモザとビオラ】代表の仁矢田美弥です。
今年の2月、「つなぐ、結ぶ、創る ミモザとビオラ」という屋号で開業届を出しました。
 
私は自身も小説を書いており、心の底から文学が好きです。
小説投稿サイトで作品を発表する中で、多くのアマチュアの書き手の方々と知り合いました。
そして、そういった交流の中から、私と同じように、いえそれ以上の情熱をもって作品を書いている方々の存在を知りました。
私が開業に踏み切ったのは、そういったアマチュアの作家さんたち─「才能の原石たち」と呼びます─を少しでも世界に知ってほしいという思いからです。
そんな私にとって、今回「本店・本屋の実験室」に本棚をお借りすることができたのは、本当に跳び上がりたいくらいうれしいことでした。
私の本棚では、商業出版された古書や新刊はもちろんのこと、アマチュアの作家さんの作品のZINE、自製の本をたくさんご紹介していきたいと考えています。

いずれも素晴らしい書き手の方々ばかりです。
ぜひお手に取ってご覧くださいませ。

多くの本好きの方々とつながり、結び、そしてともに創作の喜びを得られますように。

  1. 1/26(日) ZINE&個人誌 展示・販売会 12:30~20:00

  2. 絵から紡がれた珠玉のストーリーたち/アンソロジー  仁矢田美弥・まちか 編

  3. 『てんてんてん』 はなちこ

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