《あらすじ》
渋谷の小さな会社で働く派遣社員の石井ゆうかは、都内で一人暮らしをしている三十四歳。同僚の篠田ちゃんには「浮いた話なんてない」と話しているが、夜は銀座のガールズバーで働き、店長とは唇を重ねる仲、同じシェアハウスで暮らす年下男子・大輝とは肉体関係を持っていた。
それでもゆうかの心は動かない。彼女の心はある日死んだから──。
三人組の音楽プロジェクト「neu Moment」の楽曲『Overnight』をモチーフに、東京の暗い夜に今にも溺れそうな主人公の葛藤を描く。
金指さまによるあらすじの紹介文です
レビュー:
読むと幸福感に包まれるような作品。上質な恋愛小説です。
恋人に裏切られたゆうかはある意味心が死んでしまった。
恋人が残した多額の借金の返済に追われ、昼の派遣社員の仕事と夜のガールズバー仕事とを掛け持ちしている。
そんな彼女の昼の仕事の同僚、篠田ちゃん、ガールズバーの店長、住んでいるシェアハウスの住人の大輝。ゆうかの周りの人物たちに不思議な存在感があり、それぞれに魅力的です。そして、篠田ちゃんに誘われた合コンで、ゆうかはガールズバーのお客さんである水野さんとたまたま出くわすことに。
それから、私がまず惹かれたのは文章です。
端的な表現、知的でおしゃれな文体。まさに表紙の写真のように、東京の夜の街を、音楽を聴きながらさまようようなグルーヴ感。
なお、この作品は『三人組の音楽プロジェクト「neu Moment」の楽曲『Overnight』をモチーフに……』と記されているように、効果的に歌詞が引用されています。
それだけではない!
添えられたカードの裏面にはQRコードが付されており、楽曲を楽しみながら作品を読めちゃうのです。
そして、読者は主人公の愛おしさにいつの間にか心をつかまれていることでしょう。
おすすめの作品です。
篠田ちゃんと大輝くんのスピンオフも掲載されていて、楽しいです。
金指さまの次回作にも期待しております!
900円
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