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イベント

12/28 (土)静かに本を読む読書会「小さく逃げる日」を開催します

書店「火星が出ている」で、年末に読書会「小さく逃げる日」を開催します。仕事・学校・生活・人生、その他もろもろから逃げたい方、お待ちしています。

企画概要

イベント名

小さく逃げる日

一言でいうと

参加者が好きな本を持ってきて黙々と読書をする、サイレント・ブッククラブ形式の読書会

参加資格

なし。逃げたい人、逃げる経験を積みたい人、誰でもカモン。

実施場所

本店・本屋の実験室
〒166-0002 東京都杉並区高円寺北3丁目5−17
本店・本屋の実験室

実施日

2024年12月28日(土)13:00-19:00

参加費

1,500円(10代は無料)
※本店で本を購入した人は500円引き

読書会でやれること

  • 黙々と本を読む
  • おいしいコーヒーを飲む
  • お茶菓子をつまむ
  • ヘッドレスト付きの椅子でくつろぐ
  • 手紙を書く

読書会でやらないこと

  • お互いを知り合うこと、そのための場や時間を作る
  • 逃げてきた理由をきく
  • よりそうとかやさしい言葉をかける
  • なんとなく話しかける

会場イメージ

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イベント参加者のみの利用になります。
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店内はこんな感じです。今回はハンモックなしで、キャンプ用のイスを増やします
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この子を膝の上に置いて本を読むこともできます
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逃げてきた人向けの選書も準備しますね
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淹れたてのコーヒーが飲めます
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お茶菓子も準備します(これはうさぎフィナンシェ)
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さらに引きこもれるように耳栓もお貸しします

よくある質問

  • 途中入場や途中退場はしてもいいですか?
    もちろんOKです。
    すきなときに来て、すきなときにお帰りください。
  • 別の書店で買った本やすでに買っている本を持ち込んでもいいですか?
    OKです!
    でも、本店の本も買ってもらえるとうれしいです。
  • 本店内の本を購入せずに読むことはできますか?
    できません。
    本棚にあるものはあくまで「商品」なので、読みたい本は購入して頂ければと思います。
  • 食べ物、飲み物を持ち込んでもいいですか?
    OKです!
    ただし、読書の邪魔にならないように一定の配慮はお願いします。
  • イベント中の写真を撮ったり、SNSに上げてもいいですか?
    本や本棚、設備についてはOKです。
    逃げてきた人の写真は撮らないでくださいね。
  • 書店内にトイレはありますか?
    当日は隣のコクテイル書房のトイレを使用できるようにします。なので、安心してお越しください。
  • 事前申込は必要ですか?
    不要です。当日の気分で来てもらってもOKです。
    もし、すでに行くことを心に決めている方(いる?)、メールやDMで事前に連絡して頂けるとありがたいです(僕が安心します)。
  • 滞在時間に制限はありますか?
    ないです。好きなだけいてください。

ステートメント:なぜこの読書会をやるのか

なぜ自分はこの企画をやりたいのか。直感でやることを決めた後に、いろいろ考えてみたけど、結局「僕が逃げるための空間が欲しかったから」ということなんだと思う。

こうやって書くと、僕のことを「今の生活が辛くて/しんどくて/苦しくて、そこから逃げ出したいと思っている人なんだな」と思うかもしれない。確かに、僕の今の生活にはそういったものが含まれている。でも、同じように、楽しさやあたたかさや充足感も含まれているので、全体的にはそう悪くない人生だなと思っている(今のところは)。

それでも、僕の中には「逃げたい」という気持ちがある。

なぜ逃げたいのか、何から逃げたいのか。それはよくわからない。何が逃げることになるのか、逃げて何をしたいのかもよくわからない。「逃げないともう無理!」というような切実さはない。

一般的には、逃げるという行為はポジティブなものではなく、逃げたいという気持ちはなくなった方がいいものとみなされている。だから、逃げずに立ち向かったり、逆に逃げてしまって状況を変えることが推奨される。状況が好転すれば、「逃げたい」という気持ちはなくなる。すっきり。さっぱり。次のステージへ!

理屈はわかる。でも、それでいいんだっけ?

なくなったほうがいい感情って、そんなに簡単に決めつけていいんだっけ?「逃げたい」という気持ちは消し去らないといけない、害をなす感情なんだっけ?自分の中に、何らかの理由で生まれた感情を、都合が悪いから消してしまおうと考えていいんだっけ?

何か違う気がする。

「逃げたい」を消し去るのではなく、向き合うのでもなく、手のひらの上で転がしたり、たまに指先で撫でたりできるようになっていく。好きかはわからないけど、嫌いじゃない。深く関わるわけじゃないけど、一緒にはいられる。そんな風になっていけるといいんじゃないか。

そうなるためにには、僕は逃げることをちゃんとやらなくてはいけないと思った。

僕自身、目の前にある辛さやしんどさによって「逃げざるを得ない状況に追い込まれた」ことはあっても、自発的に「逃げたい」と思って逃げたことはほとんどない。逃げる経験をもっと積みたい。逃げることを日常にしたい。生活に取り入れたい。そして、感情を消し去るなんて物騒なことをせずに、「逃げたい」気持ちともっと自然に一緒にいられるようになりたい。

そんなことを考えながら、読書会「小さく逃げる日」を企画しました。

仕事や生活や日常から逃げてきた人のための場でもあり、逃げる経験を積みたい人の場でもあり、「逃げたい」と共存する暮らしを模索する人の場でもある。そんな場にできるように運営していきたいと思ってます。

あ、もっと切実さを感じて逃げてくる人ももちろん大歓迎です。僕も、あなたも、何ができるかはわからないけど、少なくとも同じ空間にいることはできます。コーヒーでも飲みながら、お互いに別々の本を読んで、過ごしましょう。

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火星が出ている

火星が出ている

ふつうの本屋

うちの子ども(長男、9歳)は粘土がすきで、よく家でいろいろ作ってます。そのクオリティがとても高い。造形技術が高いのもすごいんですが、作品のイメージがすごくて。でも、事前に何か下書きのようなものは準備しないし、テレビの前でYouTubeを見ながら作っているし、何を考えて作っているのか全然わからない。ということで、長男に聴いてみました。
「どんなものを作るかって最初に見えてるの?」
「見えてないよ」
「じゃあ、どうやって作るもののイメージを具体的にしてるの?」
「うーん、粘土に触ってると、こういう風にしようかなってアイデアが湧いてくるから、それをもとに作ってる。だから、イメージとかはないよ。作りながら考えてる。」

ビジネスの世界では「何をやるか(to do)」ではなく、「どうあるべきか(to be)」が、手段ではなく目的が重要なんだと言われることもあります。

「何かを作るときはコンセプトが不可欠だ」という考え方もあります。コンセプトに合わないものは余計なもの、不純なものだとされます。

長男の粘土づくりには、目標やコンセプトのようなものはなくて、彼はテレビ見ながら湧いてきたアイデアを形にしているだけです。彼にはto beはなく、to doしかない。目標はなく、手段しかない。不純で、余計なものしかない。それでも、クオリティの高い作品を作ることができている。

すごく楽しそうに作ってるのがいいんですよね。完成した作品を僕に見せにくるときの誇らしそうな表情もいいし、その作品をあっさり壊して、次にとりかかる身軽さもいいなと。自由だなって思います。

そんな長男に影響を受けつつ(憧れつつ)、僕も本屋って楽しそうだなと思って始めることにしただけで、特に何かを目指してるわけじゃないなと改めて思いました。なので、「火星が出ている」ではコンセプトや目標を設定しないことにしました。
僕が楽しく本屋をやることを大事にしようと思ってます(ちなみに、一番楽しいのは本が売れるときです)。ユーザーじゃなくて、自分・ファースト。だいぶ気まずいんですけど、でも、今の自分にフィットするので、これでやっていこうと思ってます。どうぞ、よろしくお願いします。

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